フミ3ぽ

銀座までフミ散歩。イラストレーションをメイン表現としながら、グラフィックワークにもどんどん表現展開していきたい方などにとても参考になると思います。作品が魅力的なのはもちろんですが、シルクスクリーンなどの従来の技法から、かなり凝った箔押し技法まで、幅広い印刷技法も確認できます。オススメ!

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ギンザ・グラフィック・ギャラリー第392回企画展

宇野亞喜良 万華鏡

2022年12月09日(金)~01月31日(火)

シェアツイートURLコピー今年3月、めでたく米寿(88歳)を迎えた宇野亞喜良。イラストレーター、グラフィックデザイナーとして1950年代から半世紀以上にわたり、“黄金の左腕”を武器に、常に時代の第一線で活躍してきた。特に1960年代-70年代は、寺山修司演出の天井桟敷公演をはじめ、アングラ系の劇団を中心としたサブカルチャーと深く結びつき、狂気や毒気、エロティシズム、情念を孕んだポスターやイラストレーション表現で一世を風靡。街に貼られた宇野のポスターが次々と剥がされたり、ポスターが先行して芝居の中身にまで影響を与えるようなことも実際に起こっている。

20世紀末には、これら60年代のポスターが再評価され、宇野の美しさの中にスキャンダラスな妖しさを含んだ耽美的な世界は、いよいよ円熟味を帯びた。なかでも、かわいらしさと妖艶さを併せ持つ少女像は、宇野の同世代から若い世代まで多くの支持を集め現在に至っている。最近になって宇野は、自分と時代の波長が再び合ってきたことを実感。1960年代当時、宇野が感じていた少女特有の可愛らしさに対する感覚が蘇り、自分の感じた少女像を自然に描けるようになったと言う。

「印刷というのはイラストレーションを確実に復元するんじゃなくって、出来上がったものがよければそれが一番いい」と、昔から印刷のマジックに強い関心を示してきた宇野。本展(1階会場)では、俳句と少女をテーマにした作品シリーズ約20点を、津田淳子氏による特殊印刷設計によって、異なる表現方法を試み、新たな作品に蘇らせます。地階会場では、刈谷市美術館のご協力の下、今回の印刷実験による新作の原点となる1960年代のポスター約50点を一堂にご覧いただきます。まさに会場は、最新作と初期作品とのシンクロニシティの場と化します。時代を超え、普遍的な魅力を放ち続ける少女像(万華鏡)をご堪能ください。



ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
                                               〒104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F/B1F                                              
TEL:03.3571.5206/FAX:03.3289.1389
開館時間:11:00am – 7:00pm 
休館:日曜・祝日/入場無料



協力:刈谷市美術館、株式会社アートスペース、DNP大日本印刷株式会社
展示構成・評論:矢萩喜從郎
特殊印刷設計:津田淳子
印刷設計:DNP大日本印刷株式会社 出版イノベーション事業部 ブッククリエイティブ推進室
告知デザイン:大島依提亜
出版:高精彩作品集『AQUIRAX UNO』(初版200部、12月23日刊行)
イベント:詳細確定次第、ギャラリーHP及びSNSにてご案内いたします。


宇野亞喜良

1934年名古屋市生まれ。名古屋市立工芸高校図案科卒業。カルピス食品工業、日本デザインセンター、スタジオ・イルフィルを経てフリー。日宣美特選、日宣美会員賞、講談社出版文化賞さしえ賞、サンリオ美術賞、赤い鳥挿絵賞、日本絵本賞、全広連日本宣伝賞山名賞、読売演劇大賞選考委員特別賞等を受賞。1999年紫綬褒章。2010年旭日小綬章受章。
主な作品に、『宇野亜喜良60年代ポスター集』、『奥の横道』、『MONOAQUIRAX+』、『宇野亞喜良クロニクル』、『宇野亞喜良ファンタジー挿絵の世界』。絵本に、『あのこ』(今江祥智・文)、『白猫亭』、『上海異人娼館』(寺山修司・原作)、『おおきなひとみ』(谷川俊太郎・詩)、『X字架』、『恋人たち』(穂村弘・文)など。刈谷市美術館、Bunkamuraギャラリー他、個展多数。キュレーターや舞台美術も手がける。