神田ポート企画「種字彫刻の魅力、写真とことば」展 開催中です。
種字彫刻は、驚くほどの細かい作業で、まさに神業!池田晶紀さんが撮影した写真も、本当に美しいです。
https://www.kandaport.jp/event/20220707
「清水金之助さんのこと」
清水金之助の本をつくる会 雪 朱里
清水金之助さんは、種字彫刻師です。活字の鋳型となる「母型」の、さらにもとになる「父型=種字」を彫る職人でした。金属(地金)の種字を彫っていたので、「地金彫刻師」「直彫り師」とも呼ばれました。
1922年(大正11)1月10日、東京生まれ。高等小学校を卒業後、14歳で種字彫刻(地金彫り)の名人・馬場政吉に弟子入りし、種字彫刻師になります。1945年(昭和20)の終戦後には、東京都大田区に自分の地金彫り工房を構え、独立しました。清水さんは、当時、母型製造・活字鋳造のトップメーカーだった岩田母型製造所(デジタルフォントメーカー・イワタの前身)などの注文を受けて、新聞などに用いられる活字の種字彫刻を手がけていました。
しかし1950年代ごろから「ベントン彫刻機」という機械の国産機が普及しはじめ、種字彫刻の注文が少しずつ減っていきます。1961年(昭和36)、清水さんはとうとう種字彫刻工房を閉め、種字の手彫りの仕事を終えました。ところが2004年(平成16)になって、活字史研究者などで構成される「活字研究会」から「種字を彫ってほしい」と依頼を受けます。これを機に、清水さんは43年ぶりに種字彫刻を再開。以降、2011年(平成23)12月に亡くなるまでのあいだ、何度も実演会を開催しました。
見ているほうが息を止めてしまうような細かい作業をしているのに、清水さん自身はいつも笑顔で、「なんでも質問してくださいよ」と気さくにお話しをしながら、手はまったく止めず、マッチ棒ほどの小さな軸に下書きなしで、左右逆字の種字をどんどん彫り上げていきました。2011年7月に開催した「最後の実演会」では、わずか4時間弱のあいだに8ポ(約2.8mm角)の種字を5本も彫り上げるほどの速さ(明朝体/太、小、凡、田、夏の5文字)。種字彫刻師の仕事は、まさに神業だったのです。神田ポートHPより
会期 | 2022年7月16日(土)〜7月31日(日) |
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時間 | 11:30〜19:00 |
入場料 | 無料 |
会場 | 神田ポート(東京都千代田区神田錦町3-9 神田ポートビル1F) |
URL | https://www.kandaport.jp/ |
電子書籍 | 『活字地金彫刻師・清水金之助 ―かつて活字は人の手によって彫られていた―』 2022年6月24日 ボイジャー・プレスより刊行 雪 朱里=著 清水金之助の本をつくる会 価格:1,320円(税込)書籍紹介HP ※amazonやhontoなど、こちらのサイトからご購入いただけます。 https://ykakr9.wixsite.com/kinnosuke |
注記 | ※神田ポートでは会期中に会場を撮影スタジオとして使用することがあるため、一時的にクローズさせていただくことがあります。ご了承ください。 〜クローズ日程のお知らせ〜 7月24日(日) 11:30〜12:30 |