2024 Lecture Report

 共立女子大学 建築・デザイン学部では、この2024年10月26日に、「建築とデザインで未来をつくる」というテーマのもと、スターバックスコーヒージャパン株式会社 ストアデザイン・コンセプト部の江藤 希理子氏をメインゲストに、同部署の3名のエキスパートをお招きし、連続セミナー2024 第2回講演会を開催しました。

共立女子大学 建築・デザイン学部 連続セミナー2024 第2回講演会

日時:2024年10月26日(sat)14:00開演
会場:共立女子大学 本館
ゲスト:スターバックスコーヒージャパン株式会社 ストアバリューエレベーション本部 ストアデザイン・コンセプト部 
江藤 希理子(部長)
塚本 真也(ストアコンセプトディベロップメントグループ ストアデザインプラットフォームチーム チームマネージャー)
橋本 玲奈(ストアコンセプトディベロップメントグループ ストアコンセプトチーム)
川田 真理絵(ストアデザイングループ リージョンデザインチーム デザイナー)

 学生には勿論、教職員達にもサードプレイスとして好まれ、ファンの多い大人気ブランドにはどんな秘密が?皆のワクワクの中、講演会がスタートです!

 前半はメンバーの自己紹介から始まり、企業理念や共有されている価値観についての説明を受け、その後、店舗デザインの具体的なプロセスや考え方などをご紹介頂きました。

 自己紹介では、講演者のキャリア背景や、スターバックスで働くまでの経緯などが語られました。決してスマートな話しばかりでなく、軽いノリや挫折による失敗談などもユーモアを交えて楽しく紹介され、将来への不安を多く抱える学生にとって、良い意味で少し肩の力が抜ける「先輩の経験談」となりました。

【スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 提供】

 企業理念に関しては、パートナーという呼び方の意味やグローバルな視野についても解説。そして、誰もが能力を最大限に発揮できる「居場所づくり」を目指していることを特に強調されていました。具体例の一つとして、役職などに関わらず、全員が「姓」ではなく、「〇〇さん」とお互いに「名」で呼び合っているそうです。個人的にはとても見習いたいスタイルです。

 店舗デザインの事例として、2023年にオープンした「東急歌舞伎町タワー」の店舗デザインなどについて解説。劇場性やコミュニティ形成を意識したデザインコンセプトから始まり、歌舞伎町の文化や歴史を踏まえた空間づくりについてや、3Dモデリングソフトを活用した設計プロセスについて、さらに家具デザインの重要性とお客様体験を重視した開発プロセスについてなど、普段は関係者しか観覧出来ないような貴重な詳細資料を使っての丁寧な説明をして頂きました。そして、デザインプロセスとして、店舗の設計は、詳細な調査と複数のプラン作成を経て進行。デザインの柔軟性を持ちながら、多様な意見を取り入れることの重要性を強調されていました。

 後半は質疑応答スタイルとなった学生とのトークセッション。学生の素朴な質問にも笑顔で丁寧に答えてくださいました。さらには、学生時代には多くの場所を訪れ、さまざまな建築やデザインを実際に体験する事や、デザインはすべての人のためにあるという視点を忘れず、柔軟な思考を持つことなど、今後のアドバイスも頂けました。

 スターバックスがどのようにしてブランドとしての一貫性を保ちながら、常に新しい事にチャレンジし、地域の特性や顧客の多様性に応じた居場所を提供しているかを知ることが出来ました。そして何より、この講演会の聴衆者を全力で楽しませようとするゲストメンバーのその姿勢、サービス精神こそが、サードプレイスを提供し、温かく人と人をつなぎ続けてきたスタバブランドの魅力そのものであると感じました。

 今後、受講学生達が店舗にお邪魔した際に、色々なモノの見方が大きく変わっている事が期待できる、とても有意義な講演会であると同時に、スタバファンが益々増えた講演会となったとも言えそうです。

文:ビジュアルデザイン研究室 水川 史生
会場写真撮影:学生スタッフ
画像提供:スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社