フミ3ぽ

研究日なので、ライパブの細谷さんの展覧会を見に銀座までフミ散歩。
日本語の文字組が抜群に上手い。第三者には「0.01mmすら動かせない」と感じられる緊張感のあるレイアウト。そして、何より文字や写真に対する「愛」が感じられる。エネルギーがギュッと詰まった画面に圧倒され、襟を正す。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第390回企画展

細谷巖 突き抜ける気配

Hosoya Gan-Beyond G
2022年09月05日(月)~10月24日(月)


1935年9月2日生まれの細谷巖は、本展覧会オープンの3日前に87歳の誕生日を迎えます。終戦から8年後の1953年4月、細谷は神奈川工業高校工芸図案科を卒業して、クリエイティブエージェンシーの株式会社ライトパブリシティに入社し、2022年現在、同社の代表取締役会長を務めています。振り返れば、なんと69年間もの長い年月、細谷は同じ会社で、しかも第一線でアートディレクター、グラフィックデザイナーとして、また東京アートディレクターズクラブの会長として、日本の広告デザイン界を牽引してきました。
                                                             
細谷は、1955年の日宣美 (日本宣伝美術会) 展出品の鮮烈なデビュー作「Oscar Peterson Quartet」をはじめ、写真を90度回転しバイクが落下するようなスピード感を表現した「ヤマハオートバイ」ポスター (1961年)、1960年の世界デザイン会議で、内外の一線の建築家、デザイナーの参加者を瞠目させた、会議配布資料パンフレットの『び』、日本の伝統的な建築や風物にみられる様々な「かたち」を集めた書籍『日本のかたち』 (美術出版社 1963年)、日本刀の刃先がアップになった緊張感あふれる『アサヒカメラ』(1962年11月号) の表紙など、粋の良い写真や素材などを自由自在に使いこなし、目の覚めるような広告やエディトリアルデザインを矢継ぎ早に生み出しました。細谷巖はその名の通り、厳しい切れ味のある作風と格調高い一徹な創作精神によって、広告が真に「創造的」であるかどうか、「文化的」であるかどうかという新たな次元を、日本で初めて切り開いたパイオニアです。
                                     
本展では、これらの忘却の彼方に押しやられていた、細谷の半世紀以上前の珠玉の「デザインの遺産」を再度呼び起こし、展覧会のタイトルのコンセプトに込めた想い、細谷の「閃 (ひらめ) く新しい世界へ通じる、既存の皮膜を突き破る力」*を体感していただきます。

*『観る者の心を射抜く、既存の皮膜を突き破る力』矢萩喜從郎/高精彩作品集より

会場:〒104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F/B1F                                              
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
TEL:03.3571.5206/FAX:03.3289.1389

開館時間:11:00am – 7:00pm 
休館:日曜・祝日 / 入場無料
* ご来館のお客様は、必ずこちらをご確認ください。

監修・展示構成・評論:矢萩喜從郎

協力:株式会社ライトパブリシティ、武蔵野美術大学 美術館・図書館

出版:高精彩作品集『Hosoya Gan-Beyond G』(初版 200 部、税込 5,500 円)

細谷 巖
1935 年神奈川県生まれ。1953 年神奈川工業高校工芸図案科卒。同年ライトパブリシティ入社。 現在取締役会長。東京アートディレクターズクラブ会長。日本グラフィックデザイナー協会会員。
受賞=日宣美展特選 (1955、56 年)。 東京ADC金賞・銀賞 (1959 年)。毎日産業デザイン賞 (1966 年*合同受賞)。 日宣美展会員賞 (共同制作、1967 年)。ADC会員最高賞 (1971、78、84、88 年)。 朝日広告最高賞 (1988 年)。日本宣伝賞山名賞 (1990 年) 。紫綬褒章 (2001 年) 、 旭日小綬章 (2014 年)。

お問合せ:ギンザ・グラフィック・ギャラリー 高木 Tel:03.3571.5206

※展覧会情報はgggホームページより抜粋して掲載させて頂いています。