さて、旅の2日目。
堀ゼミが向かったのは広島県の鞆の浦です。
数々の映画の舞台にもなったこの町。古くは国内外の交易で栄えた港町で、今でものこる江戸期のお屋敷は重要文化財にしてされています。映画「崖の上のポニョ」の制作時には宮崎監督が数ヶ月間逗留され映画の構想を練ったとことでも国内外から多くの注目を集めています。
風情ある町を歩いて小高い丘を登った先にあるのが
今回の目的地の「後山山荘」。
京都府山崎にある住宅「聴竹居」で知られる建築家 藤井厚二さんが兄のためにつくった別荘を、現代建築家 前田圭介さんが受け継ぎ再生(2013)させた建築です。
聴竹居でもみられるサンルームからは瀬戸内海に浮かぶ島々を見渡すことができます。特徴的なサンルームや暑くなった空気を逃がすための天井排気口はそのままに、サンルームの内側に開口を設けるなど新たな操作が加わり生まれ変わった住宅からは美しい庭園と鞆の浦の景色をゆっくりと楽しむことができました。
続いて向かった先は「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」。
伊東豊雄さんは「せんだいメディアテーク」「みんなの森 ぎふメディアコスモス」などの設計で知られる建築家。
ここでは主に展示空間として使われている「スティールハット」と1984年に東京中野に建てられた伊藤さんの自邸「シルバーハット」の再生された姿を楽しむことができます。
旅の中で地元の方に“多島美”ということばを教えていただきました。内海に島々が連なる景色のうつくしさを形容したことばです。美しい景色に後ろ髪を引かれながら2日目の見学は終了。
そしてゼミ生が楽しみにしていた宿「 ONOMICHI U2 」へ。
設計は広島が出身の谷尻誠さん・吉田愛さんが率いる建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICEです。
戦時中に建てられた海運倉庫をリノベーションして造られた複合施設で、カフェやパン屋さん、レストランにセレクトショップやサイクリングショップなど楽しい施設がぎゅっと詰まった尾道の人気スポットです。
建物の近くでは、海を眺める人・サイクリング帰り一休みする人・寝転がっておしゃべりする人・・いろんな人が潮風に吹かれながらのんびりした時間を楽しんでいました。
既存の建築を活かしながら、尾道の楽しみ方に広がりを与え新たな価値を生み出した楽しい建築です。
いよいよ旅は最終日へ。
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建築設計研究室 藤田