石田ゼミ接遇の会2025 -bloom the smile-

今年も石田ゼミ前期の集大成は「接遇の会」。前期が終わった翌週の7月25日に行われました。利休が説いた茶の湯の心にもある「もてなし」と「しつらい」はデザインに最も重要な要素の一つです。前期にお世話になった方々を、ゼミ生全員でデザインした道具と手作りの食事と空間で、心を尽くしたおもてなしで感謝を伝えます。
今年のテーマはピクニック、お花畑に蝶や鳥が舞っています。

テーマ決めからどんな料理でおもてなしをするのか、誰がどんな役割で準備をするのか、当日の買い出しや会場設営の流れなども打ち合わせて決めていきます。

テーマ決めなどの準備段階はこちらの記事にあります。

陶芸作品同様に川口の金属加工の皆さんにも制作依頼を行います。見学で得た知識をもとに今回はグー、チョキ、パーの3チームでデザインを進め、発注するための指示書を作成して依頼しました。最初のプロトタイプが完成し送られてきましたがまだまだ思い描く完成には程遠く、修正の指示書をさらに細かく作成し、3Dレンダリングのデータと共にオンラインでも打ち合わせを行いながら、齟齬がないか確認しながら進めます。

春先に行った川口金属加工業の工場リサーチの様子はこちら

6月中旬に最初のプロトタイプを受け取りました。プロトタイプを前に修正点を話し合っています
こちらは制作してもらうためのデザイン指示書です。3チームがそれぞれ3Dでデザインを作成し、細かな指示を分かりやすく、伝わりやすくまとめていきます。演習では自分でなんとか作ればよかったけど、工場など第3者に制作してもらうということは、伝えたいことを正確に伝えることがとても重要になります。これはデザインをする上でとても重要なスキルです。

本番の接遇の会直前に最終の作品が届きました!仕上げも完璧で光輝く鏡面や意匠研磨が美しいです。まだ保護のためのラップは剥がさずに記念撮影。これだけの仕事をキチンと仕上げてきてくれるのは流石はプロですね、ありがとうございます!そして可愛いメインビジュアルも完成です!

そして陶芸合宿で作成した花の器も本番2日前に無事到着です!華やかなお花がたくさん咲きました!我々が合宿でやり切れなかった素焼きに釉薬、そして割れないように慎重に本焼きを進めていただきました。丁寧な梱包とお手紙まで入っていて、山中湖陶芸倶楽部さんに改めて感謝です!

作品も仕上がってきたので、本番前にどんな料理になるか試作と試食を行っています。いつもの演習室に甘い香りが漂います、なかなかいい感じ!

空間設営の事前準備も行いました。具体的にテーブルを並べ替え、作品をレイアウトしながら本番までに何が必要か話し合い、光の演出や調整も行います。












7月25日、いよいよ接遇の会当日です。夏季休暇に入っていますが朝9時からみんなで集まって会場の設営と買い出し、そして食事の準備に入ります。今までの計画を一気にここでディスプレイ、ラストスパートです!

↓これは食事作成の様子

食事担当チームも頑張っています、40人程度の人が集まると想定した量を作っていきます。足りるのか足りないのか…


夕刻になりテーブルセッティングが完成です!DCLの空間が華やかな花畑のピクニック会場に変身です

↓工夫がつまったおもてなしの料理が美しく並びます

ジャムサンドイッチ、ハムカツサンド、ワッフル、クラッカーのおつまみ、サラダや花形のおにぎり、手作りマカロンにクッキー、フルーツポンチなどなど色とりどりの料理がテーブルを彩りました。




お世話になった工場や陶芸の方々も遠路お集まりいただき、お客さんが揃ったので記念撮影!

開催にあたって、ゼミの代表としてゼミ長の2人から皆さんへの感謝の言葉がありました。
そして乾杯の発声と共に宴が始まりました!
お客さんの他、先輩や同級生、事務の方や助手さんたちも集まっていただき、賑やかなスタートとなりました。
bloom the smileのタイトルの通り、会場全体に多くの笑顔が咲きました!
新光ステンレス研磨の工場長が自ら制作した作品の出来栄えを真剣に確認しています!
各社の技術が集結して作品化されたので、どのように使われているのかや、
それぞれの出来栄えを興味深く見ていただいています。
工場長の真剣な眼差し


会社の方々ともさまざまな話題で盛り上がりましたが、後期の作品作りについても計画の説明があり、真剣に耳を傾けていました。川口金属加工の技術を使って小さな時計をデザインし、展示では価格をつけて販売して行く予定です。接遇展で評判が良い作品があれば持続的に販売していく計画もあり、自分が好きなものを作るだけではなく社会に向けたデザインをどのように作っていけるか、デザイナーとしての視点が問われます。


夜9時を回り、楽しかった接遇の会もあっという間に終わりの時間が来てしまいました。
最後は「お手を拝借、よ〜〜〜おっ!」の掛け声の元、一本で締めくくりました!

華やかだった会場も後片付けです。先輩や助手さんにも手伝っていただき、
みんなで協力して無事に終えることができました。ありがとうございます!

前期の接遇の会は多くの方のご支援で無事に成功することができました。ありがとうございました!
ゼミ生10人が引き続きリーダーシップを発揮して、それぞれが活躍できる力を出し合って前に進んでいきたいと思います。石田ゼミは今後、接遇の会の振り返りを行い、旭川合宿で木工を、秋には岩手平泉地区で漆や箪笥や南部鉄器などの伝統工芸の学びが控えています。川口の金属加工でも時計を製作します。引き続き各方面の多くの皆さまにお世話になりますが、ご協力をよろしくお願いいたします。  (石田)

後期の「接遇展」は改めてご案内しますが、現時点の予定は以下のようになっています。
会期:2026年2月3日(火)〜13日(金)
会場:オリエアートギャラリー(外苑前駅徒歩3分)
作家(予定):山中湖陶芸倶楽部
      :川口金属加工業
      :平泉地区伝統工芸(岩手)
      :石田ゼミナール