フミ3ぽ

授業後に銀座までフミ散歩。30年程前、金属造形に夢中で、それほどデザイン業界に興味を抱いていなかった私でも気に止めていたクリエイティブディレクターの展覧会。時代の捉え方、そして世間への仕掛け方のバランス感覚が絶妙に思う。今観てもとても新鮮です。2Fで流れているCM映像も秀悦。是非!


ギンザ・グラフィック・ギャラリー第384回企画展

葛西薫展 NOSTALGIA

2021年09月08日(水)~10月23日(土)

この度、ギンザ・グラフィック・ギャラリーでは、およそ30年ぶりの葛西薫さんの個展を開催することになりました。前回は1992年、まだバブル経済の余韻が残る頃、葛西さんは「空気」という意味の「AERO」をテーマにした大作(3×2m)を、ギャラリースペースの天地いっぱいに、NECOというインクジェット印刷で、漉いた和紙上に表現していただきました。その浮遊感と昂揚感溢れるプロペラの設計図のような作品群は、それまでのグラフィックデザイン、グラフィックアートの概念を変えてしまうほどの衝撃を見る者に与えました。
その後葛西さんは、「サントリーウーロン茶」や「ユナイテッドアローズ」等の広告のみならず、パッケージ、CI、サイン計画ほか、小説や詩集の装幀や映画、演劇関連のグラフィック、動画制作など、多方面でめざましい活躍をしてきました。今回の展覧会では、葛西さんがその語感が大好きと決めた「NOSTALGIA」(ノスタルジア)をテーマに、新作の数々を発表します。「ノスタルジア」と言えば、「郷愁」、「望郷」などの意味やタルコフスキーの映画にも同タイトルがありますが、葛西さんはそれを、「意味のないもの、分からないものへの興味。その深層にあるもの」と語ってくれました。そして、それは手作業から生まれるそうです。定規を使うこと、墨を磨ること、絵具を絞り出すこと、鉛筆を削ることなど、そこに生ずる懐かしい匂いや音の輻輳・・・。それは、葛西さんの身体に宿る太古の原始的な感覚を呼び起こします。葛西さんにとっては、自分の手(宇宙)を通して湧き出てくる、「創作の断片を編集する喜び」が「ノスタルジア」なのです。
地階会場では、新作のほか、ブックデザインを中心に、プロダクト、オブジェなど、多面的な創作活動をご紹介します。また、2階のライブラリでは、ポスターの代表作や葛西さんが演出を手がけたCM作品の一部をご覧いただけます。
葛西さんの作品には、現在のコロナ禍やギスギスしたデジタル時代を乗り越えるヒントがたくさん込められています。現代社会が喪失しつつある「ユーモア」と「ペーソス」、「知性」と「無邪気」等々。この秋、葛西さんの想い描く「ノスタルジアの世界」をぜひ体感しに来てください。

※展覧会案内文はgggサイトより抜粋。