何ともいえないレトロなフォントの「多摩ショッピングコーポ」
ここは昭和40年代に栄えた川崎の古市場銀座商店街にある、築51年のRC造4階建て共同住宅です。
1階が店舗4室、2〜3階に住居9室という構成になっており、かつては1階に精肉店や用品店、呉服屋、パン屋、2階には美容室がありました。当時は夕方になると買い物客で肩がぶつかり合うほどだったそうです。近年、町自体が高齢化することで商店街が解散するというニュースをよく耳にしますが、この古市場銀座商店街もそのひとつです。今では町がひっそりと静まりかえり、時折かつての店主たちが道路で立ち話をしているそんな路地空間にこの共同住宅が建っています。
実はこの建物のオーナーさんご子息は、東北工業大学建築学部建築学科の新井信幸教授。
東日本大震災におけるコミュニティ再生の活動はじめ地域の居場所づくりで活躍されています。
新井先生のご実家に空室が目立ち始めたということで、本学非常勤講師の建築家・安田博道さんと共同で住居部分、店舗部分のリノベーション設計を行ってきました。
洗練されたインテリアの住居部分はリノベーション後に物件の価値が向上し、家賃も改修前よりグンとアップ。改修した住居は常に満室だそうです。
今回、新井先生から髙橋ゼミの学生にインテリアの提案と施工をお願いしたいという、とても嬉しいご依頼を受けました。髙橋ゼミのB4学生たちが担当したのは、上の写真の右側の白い壁の店舗部分をウィーンで修行された靴職人・川﨑 功大さんのビスポークシューズショップ「Shoe Place by」のショップインテリアの設計提案とDIY改修です。
新井先生と安田先生に後方支援していただきながら、素敵なショップが誕生しました。
詳細は研究室のウェブページで後日紹介いたしますが、まずはこの素敵な空間を堪能して、ビスポークで靴をオーダーしてみてはいかがでしょうか。一生履くことが出来る靴に出会えますよ。
(文責:高橋大輔 写真提供:安田博道、新井信幸)