雨の中、広報物や図録などをお手伝いさせて頂いた展覧会を鑑賞しに埼玉県立近代美術館までフミ散歩。私なんぞがとやかく語るより、本展キュレーターの中津川 浩章氏が先日SNSにて投稿されていた文章がとても適切と感じ、御本人に許可を頂き紹介させて頂きます。今週末まで。
昨日、第12回埼玉県障害者アート企画展「LOOK ART ME!!」の展示作業をしていて感じたこと。
精神の病がある出展作家のDさんは病が辛かった以前の作品の方がクオリティは高かった。
でも今は美術のコミュニティにも出入りして仲間ができたようで少ししあわせそう。
切迫感がある制作は影を潜め楽しく絵を描いている。それでいい、それが一番いい。
いい作品を描くことが大切でなくて、その人がその人らしく生きられる場所をつくること、表現はそれをサポートする大きなツールになる。
展示作業している支援員さんあるアーティストの作品とその背景について話す。
少し話すだけでどうしてこのような表現が生まれてきたのか瞬時に理解してくれる。
日々の支援の中で感じていることが可視化されていると感じたためだろうと思う。
そしてその作品から作者の日常も想像できるようで、うっすら涙を浮かべていた。
作品を単に鑑賞して楽しむとは少し違うこの感覚、それがとてもうれしい。
埼玉県内の40もの福祉施設が人員を出してくれて沢山のミーティングも参加、協力し合ってできている。
プロセスの中で単に支援だけでない豊かなつながりが生まれる。
大変だったけれど10年続けてきて本当によかった…
明日からです。
中津川 浩章
第12回埼玉県障害者アート企画展
「LOOK ART ME!!」
会期:2021年12月8日(水)-12月12日(日)
10:00 – 17:00 ※最終入場16:30 入場無料
会場:埼玉県立近代美術館 一般展示室1・2(地下1階)
埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1(JR北浦和駅西口徒歩3分)